「業界一の優良ソフト闇金」などと勝手に名乗るドッグは、不審者丸出しな電話で職場に在籍確認をかけてくるだけでなく、「後からより高い利息を請求することはございません」「ソフト闇金ドッグは業界一の優良ソフト闇金として有名です」などというホームページ上の説明を信用していはいけない割と危険なハード闇金です。すでに警察当局に摘発されているアバロンやピース同様、悪い評判が広まるとすぐに次から次へと業者名とホームページアドレスを変更し、それでもう新規オープンした独立系業者であるかのようにふるまっているワンパターンな業者でもあります。ドッグもそのうち警察のお世話になり、脅迫電話をかけていたメンバーの顔や名前を拝めることでしょう。そもそもからして、ドッグは違法業者であることを公言している無登録業者ですので、絶対に申し込まないようにご注意願います。

ヤミ金もソフト闇金も同じ

　ソフト闇金ではない一般的な違法貸付であれば、実在しない住所や実在しない貸金業登録番号を騙ったり、あるいは正規業者に成りすましたりと、いかにも合法的な登録貸金業者である風を装います。ところが、このドッグは違法な存在であることを隠しもせず、堂々とソフト闇金を名乗っているので非常に危険な存在となります。

　正規業者を装うこともせずに堂々と違法な融資業者であると公言しているわけですから、後になって「違法な連中だとは知らなかった」という言い訳はできなくなります。何かトラブルになっても周囲の人間からは「あの人は自分から違法組織に頼っていった自業自得な人間」と思われますし、肝心のドッグからも「うちらは違法だと最初から言ってるわけです、それを承知でお金を貸して欲しいとお願いされた立場なんですよ。そのお金を返さずにさらに被害者意識をふりかざすわけですか？」となり、本当なら解決できたであろう簡単なトラブルすらも解決不可能になってしまいます。この手のソフト闇金にはまずもって、絶対に申し込まないようにしてください。

　最近のソフト闇金はとても親しみやすいデザインでホームページを作り、お金にせっぱつまっている人たちを安心させようと必死になっています。しかし、違法業者はしょせん違法業者です。法律を一切無視すると言い切っている違法集団ということを、くれぐれも忘れないようにしてください。

正規の会社は本当に試しているのでしょうか

　今回のような闇金に関して非常にもったいないと思うのは、もしも正規登録されてある金融会社へ申し込んでいたなら本当は意外とあっさり審査を通過して借りられていたかもしれないのに、深く考えずにまんまと怪しい業者を頼って人生を棒に振ることです。これは本当にもったいないことです。本当にお金が入り用であるなら、やはり正規の会社を頼るに限ります。

　たとえば、知名度の高さゆえに敷居が高い銀行と誤解を受けているこちらの銀行ローンは、アルバイトやパートに派遣社員、契約社員の方々はもちろんのこと、実は収入源が年金だけである年金受給者の方々でも来店不要でご利用可能な非常にできの良い商品となっています。さすが、資本金が軽く1兆円を超えるだけのことはあります。しかも、借入10万円以下なら返済は月々2,000円からでもOKです。いつ行方不明になるかもわからない怪しい業者と比べてさて一体どちらが融資体力がありそうでしょうか。

　あるいは、こちらの老舗ローン会社は今のご時世に「最短18分でご融資可能」に「土日祝・夜間でも24時間お振込みOK」をも前面に打ち出すなど、実はその対応力に定評があります。

　最終的にどこでどのような会社からお金を借りることになるとしても、必ず正規の会社だけを頼るようにしてください。まだ正規の金融会社から借りられる可能性が残されているのに、自ら進んで違法業者を選んでしまうなど人生の無駄遣いです。まだ正規業者から借りられる可能性が残されているのに、人生を滅茶苦茶にさせられるトラブルに巻き込まれる違法業者のほうばかり向いているなど、優先順位を完全に見失っているとしか思えません。どうぞ一度きりの人生は大切になさってください。

ドッグが自称する利息にもご注意ください

　ホームページで説明されている限りでは、このドッグの利息は1週間2割か10日で3割に手数料が3,000円というお約束のサイクルとなっています。そして、最近のHP系ではこのお約束サイクルを出している業者が一番危ないです。

　このシューニかトサンに3,000円という定番業者が最近あまりに問題を起こしているのでとっくにご存知の方も少なくないかもしれませんが、ドッグと同じく、ホームページ内に記載されてある利息と実際に強要される利息がまったく違っていることなど当たり前となっています。「私はこの利息で行きたかったんですが、ボスからストップかけられちゃいましてね。他からは借りられない状態のようですが、うちなら最初はこの利息スタートでOKですよ」などと週倍で強要されることは、もはや当たり前の状況なのです。

　そんな条件は到底受け入れられないとキャンセルを申し出ると、「融資の準備は整っていましたし、今からキャンセルとなると解約料は5万円もかかりますよ、大丈夫ですか。このまま素直に借りたほうが負担は少ないですよね」と、半ば脅迫されることになります。まんまと個人情報を送信しまっているので、どうしても逃げることができないのです。

　当然、それでも何とかしようと司法書士や弁護士先生に頼んでも、かえって怒りの火に油を注ぐこととなり、ご近所さんや職場、親戚までをも巻き込んで、たとえば消防車や救急車を呼ばれてしまいますし、特に職場に電話をしたがるので非常に面倒です。また、私が知っている範囲で言うなら、闇金対応を専門にしている大阪の司法書士事務所の全ての回線をパンクさせて、その闇金対応からは手を引いてしまったこともあります。これはソフト闇金側の完全勝利でした。

　「ソフト」など名ばかりで自ら違法な存在であると言い放っている何でもありの危険集団ですからもはやホームページ内で説明してある利息などは資金繰りに追われてまともな判断ができなくなったカモを釣り上げるためのただの釣りエサ程度の存在にすぎません。

なぜ違法な融資業者を利用しては駄目なのか

　ソフト闇金を利用すると、遅かれ早かれ口座が凍結されてしまいます。なぜなら、あなたの口座も犯罪者と取引のある立派な犯罪者側の口座になるからです。

　違法業者があなたの口座へお金を振り込んでくる送金元の口座は当然、違法業者名義の口座などではありません。借金で行き詰まって闇金に売却された口座もあれば、ただ返済のためにあなたの口座へ振り込んでくる他の現役闇金利用者の口座である場合もあります。闇金が他の利用者に対して、返済先にあなたの口座を指定するわけです。あるいは、特殊詐欺で奪い取られた口座の場合もあります。そのどの場合であるにせよ、違法業者側からすれば結局は使い捨ての口座です。

　銀行勤めをしたことがある人間にとっては常識なのですが、犯罪による収益の移転防止に関する法律（いわゆる「犯収法」）は改正のたびに厳格化の一途を辿っています。ヤフオクやメルカリなどで不特定多数の口座と頻繁にやり取りがなされているだけでも反社会的勢力との取引が疑われてモニタリング対象となることもありますし、犯収法の「疑わしい取引」としてクロ判定されれば、早ければモニタリング対象となったその日のうちに凍結されます。

　日本国内の金融機関はこの「疑わしい取引」を「速やかに」金融庁へ届け出る法的義務を負っており、この対応が遅れると今度は銀行が金融庁から怒られてしまうので、問答無用でまずは凍結で。違法金融のように他人名義の口座を使っていることが明らかな場合など、もうスピード凍結です。やり取りがある関連口座もひっくるめてまず凍結です。

　さらに言うなら、最近は違法金融や融資保証金詐欺、特殊詐欺などの反社会的勢力を一層厳しく取り締まるため、ソフト闇金とのやり取りが確認できた口座だけでなく、その口座を所有している名義人が他の金融機関でも所有している口座もすべて凍結され、以後はたとえ他の金融機関へ行こうと口座開設は拒絶されることになります。労金だろうが地銀だろうが信金だろうが、どこへ足を運んでも口座開設はできません。違法業者とのやり取りが確認された口座の名義人はブラックリスト名義人として警察行政および各金融機関間で情報共有されるからです。

　そして、絶対に覚えておいていただきたいのですが、ソフト闇金に口座を渡してしまった方については、たとえ多重債務者であっても逮捕されています。いちいち報道されていないだけで、逮捕されています。以前から保有している口座を売ったなら犯収法違反、売却目的で新規に口座を開設していたなら銀行に対する詐欺罪となります。

　口座売買は一般に考えられているよりはるかに重罪となります。警察や銀行を完全に敵に回す犯罪行為ですので、絶対に手を出さないでください。

違法業者に関わると必ず後悔します

　すでにドッグに申し込んでしまって被害に遭っている方もいらっしゃるかもしれませんが、たとえ今の時点ではトラブルになっていなくとも、このような怪しい業者に手を出すと必ず将来的に後悔することになります。断言します。いくらお金に困っていたとしても、最後の最後まで正規の金融会社を頼るようにしてください。一見すると遠回りのように思えるかもしれませんが、結局はそれが損をしないで済む選択肢なのです。